Our Guard Cat

 　吾輩は初めて雪を見たEmilioである。でもほかほか暖かい部屋の中で抱っこされて、11階の窓から「雪だ！雪だ！」と騒ぐパパの顔をみつめただけで、正直あまり関係がない。一生雪に触れることなく過ごせたら、それはそれで猫としては十分幸せなのだそうだ。

 ふつうなら、朝日でぐちゃぐちゃになる

首都圏の雪だけれど、

今回は気温が低いせいか

固く凍りついている。

　電車もバスも止まって、タクシーもつかまえようがない。通勤通学は大打撃で、パパもAoaoも駅でうんざりするほど電車を待った。悪運の強いママは自宅勤務日であった。

 Bettyの夕方の散歩のとき

ご近所さんがエントランス前の雪と格闘していた。

溶けかけた雪が、またカチカチに凍っていたんだ。

ちょっとだけお手伝いしたけれど

雪かきじゃなくて氷割りに近い作業でびっくりしたママ。

　雪景色の中訪ねてきたのはピアノの調律師さん。もう10年以上のおつきあいになるらしい。

　実は昨年いらした時に、かわいがっていた猫を亡くされたばかりとおっしゃっていた。この1年、我が家もいろいろなことがあって、いつの間にか吾輩が家族なのだとお伝えしたら、とても驚いていらした。

 調律前に鍵盤をみせてもらった。

猫が乗ってもいいの？

　猫友がいまひとつ少ないママは、さっそく吾輩をお見せして、体格のことなどお聞きしようと考えた。ドッグバッグから引っ張り出されて、ごあいさつしろというので、「シャアー（吾輩はEmilioである。以後なめんなよ。）」と仁義を切った。調律師さんはびっくりしていた。

　ちなみにBettyはケージの中から「ギャンギャン（あんた誰よ、何者なのよ、わたしはBettyなんだから！）」と単純にケンカを売っていた。

一音一音確かめるように歩く。

まるでサティの音楽みたいって

ママはお気楽ですな。

　その後も調律の音が気になって、お道具が気になって、出してくれってうめきつづけた吾輩。1時間以上待って、調律終了後やっと出してもらえた。

　一直線に調律師さんに近づいて、「シャアー（だれのシマで商売してんだい）」。呆然とする調律師さんの匂いを嗅いで、お道具箱をチェック。節目節目で「シャアー（立場わきまえろよ、吾輩の家なんだから）」って威嚇しておいた。別にひっかいたりかみついたりするわけじゃない。

　一歩も引かず凄んで見せる吾輩は、非常に珍しいタイプだそうだ。ふつうの猫は、見知らぬ人が来ると隠れて出てこないとか。吾輩は相当気が強いか、甘やかされて人間が怖くないか。え？怖い人間ってAoaoのことでしょ。後の人は大したことないもの。

　

えーい、お行儀の悪いネコめ！

こうしてやる！

最近Bettyは猫のぬいぐるみを

徹底的に叩きのめす。

　猫の話をしながらお茶を飲んでいる調律師さんとママが気になって、テーブルの上に乗った。ハーブティーの匂いを嗅いで、調律師さんの手の匂いも嗅いで、目が合うと「シャアー（じろじろ見るなよ、文句あるのか？）」って言わずにはいられない。

　こうして、ずっと見知らぬ人のそばで偉そうにしている吾輩は、つくづくへんてこな猫らしい。番犬ならぬ番猫と呼んでくれたまえ。

　調律師さん、また1年後お会いしましょう。吾輩のさらなる成長をお楽しみに。

Betty、ぬいぐるみじゃなくて

吾輩とバトルして遊ぼうぜ。

Our Clutter Free Home

　わたしは、ごくごくシンプルに毎日を楽しんでいるBetty。だからストレス性の疲労もないし、無駄なモノだらけになって頭が混乱することもない。

でもお天気が悪くて散歩に行けないと、

ちょっと、いらっとするのです。

　土曜日も小雨の中出社したパパとママなんだけれど、ママの肩こりがピークに達していた。

　金曜日丸1日雪の舞う中、家でのんびりできたはずなのに、どうにもこうにも頭痛と肩こりが収まらない。マッサージチェアも湿布もカイロも、お風呂もAoaoの魔法の手も効き目がなかった。

　午前中で切り上げて、会社の近くの駅の構内にあるクイックマッサージのお店に。肩集中20分2000円コースをお願いしたところ、これが素晴らしかった。若いお嬢さんの担当者だったのに、力強くて見事な腕前だった。

　そういえば、「もみかえし」という状態になったことがないママの肩はどうなっているんだろう。

すぐに飛びついちゃうのは

クリステルの魔法ですね。

おじさんは無邪気だ。

　でも帰り道、冷たい雨の中でどんどん肩が冷えて、じわじわともとに戻ってしまいそうに。そこで、パパに「滝川クリステルさんの出ている」アリナミンEX PLUSをおねだりしました。

　クリステルさん、ありがとう！パパは「ぼくも飲むから」って、ママに大瓶を買ってくれましたよ。

一番簡単そうなガイドブックを

探してみました。

パパは本を使うと説得しやすい

活字人間なのです。

　さて、引き続きお天気のさえない日曜日、ママはパパに断舎利を勧めた。

　ママは去年の秋に、ミニミニ・マイブームを迎えたけれど、仕事が始まって中途半端のままだ。最近ご近所で実践しているお仲間も多いのに、依然としてすっきりしない我が家。

お片付けには興味がないから

わたしは寝ているけれど

Emilioは何をするか全く信用できないので

ドッグバッグに隔離。

　実は我が家の一番の魔窟は、パパのエリアだ。客間のはずが、ゴルフ関係、AV機器、本に雑誌にCD（レコードまで）、いつのまにか服や靴、ペットシーツに猫砂、コストコ商品のストックまで積んであって、まるで納戸状態。もう誰もお泊りに来れないじゃないの。

　ここが攻略されない限り、我が家は浄化されない。しかし、パパは、ママにあっさり何もかも「断舎利」されるのを拒否し続けていた。それは自分でやるってことよね。

　やっと重い重い腰を上げてパパも動き出した。10年ぶりの整理整頓というわけ。すると加速度がついて、結局パパは1日中片づけ続けて、冗談抜きに山のようなゴミが！わたしたちの毛が混じった埃もたいしたものです。

最近替えた掃除機はすごく静か。

ナノイーのおかげで空気がきれいになるとか。

前の掃除機なら違う部屋に逃げたけど

これならぜんぜん平気。

　最後の締めにパパがリビングに運んできたのは、なんと小銭の山。財布に入っていると、とにかく邪魔なんだって。こういうのってママには全く理解できないんだけれど。10年分たまりにたまって、ものすごくかび臭い、そう、古本屋みたいな匂いがしている。わたしは別室に逃げました。

 

これは捨てられません。

得した気分だって喜んでいるけれど

それ、大きな勘違いじゃない？

　ママも文句たらたらで逃げたんだけれど、Aoaoとパパは大喜びでゴム手袋を装着して、「いくらくらいあるかなあ」って分別作業に盛り上がっていた。やがて、Aoaoの取り分を何割にするか、口げんかが始まった。やれやれ。

　Emilioは出してくれっておねだりしているけれど、おはじき天国みたいになっちゃいそうだから、無理。1円玉に燃えるよね、きっと。

　わたしはママとシンプルに生きていきます。へんてこな家族は捨てられないけどね。

Fresh! Fresh!

　吾輩は、最近この家と動物病院しか行ったことのないEmilioである。今どきの家猫っていうものはそういうものらしい。はてさて、吾輩の親族は、どうして外をさまよう運命になったんだろう。

　週末、日本の南の果ての島まで芝刈りにいってきたというパパは、Bettyと吾輩におみやげを買ってきた。暖かいところなんだそうだ。さぞ楽しかったでしょうなあ。

シーサーは犬なのか？ネコ科のライオンなのか？

どっちでもいいんだけどね。

　この2日間、ママは家で仕事をしているので、ちょっと犬猫の世界に戻ってきた。まずはBettyを丸洗い。最近関東地方は乾燥しきっているせいか、ドライヤーをろくにかけないうちに毛が乾いてしまったらしい。このリビングはおひさまもいっぱい入るしね。さっぱりピカピカの黒犬の出来上がり。

ココナッツの香りがしてるね。

シャンプーは疲れるよね。

　ひさびさにさつきドッグランに入会のお試しにも行ってきた。そう、あのBuddyだ。もう33ｋｇもあるなんて、吾輩のちょっと後に生まれたはずなのに。おっとりしていて、さすが英国ゴールデンの男の子だね。

先輩のJuddyがお試しに参加。

すてきな首輪とお洋服だった。

こういう色はBettyにはむずかしいから

すごくうらやましいママ。

みんな、つぶれたボールが好きなんだよね。

あんまり好きで歯を欠いた

Bettyみたいにならないでよ。

　太陽の下で仲間と大笑いするとすごく気分がいいんだって。明日はまた会社だから、元気が出たらしい。

　ママの目元がしわしわになっちゃうこの乾燥状態も、後数日でひと休みらしいよ。とりあえず今晩もスチームでお顔をほぐしたほうがいいみたい。吾輩はパナソニックのナノイー関係の匂いが好きなんだ。

A Bitter Cold Morning

　わたしは、ひなたぼっこが好きな寒がりBetty。ラブとしては毛が薄いと言われます。Emilioはもう8ヶ月なので、だいたい成猫サイズになったのかな？ちっちゃいままで、コートもこんなもの。薄めです。

 黒いコートとおひさまの相性は格別。

あたたかいにゃわん。

　「この冬一番の寒さです！」といわれる日が続いた今週。散歩のときはうれしくて、うれしくて、寒さなんか気にならないけれど、リビングでのんびりするときは話は別。暖かくて、やわらかくて、きもちのいいところをEmilioとめぐり続ける。

ママは今日も会社。

こんな寒いのに、

自転車で駅まで疾走すると

ぽかぽかするらしい。

いい年をしてスピード出し過ぎかも。

 

わたしたちといっしょに

ごろごろしていたいでしょ。

Aoaoは家を出る寸前まで

わたしたちと寝転んでいるよ。

老眼鏡、かばんに入れた？

この前持っていくのを忘れて

半日でふらふらになったでしょ。

　明日からパパは、シーサーのいる南の島とやらにお出かけ。ママは、やっぱりおうちでしみじみお仕事。Aoaoは後期試験のためのレポートの嵐。で、わたしたちは、のんびり、ごろごろ、究極の冬ごもりの日々が続くのです。

　一番幸せなのは・・・パパじゃないの！ってママが怒っていますけど。

Pas de caractère

 吾輩はチャイコフスキーのバレエにも登場する、しなやかな猫Emilioである。
　新年は、｢眠りの森の美女」の第3幕の結婚式の行進曲で始めるのである。王子と王女の結婚を祝うために、おとぎ話の妖精たちに混じって長靴をはいた猫がやってくる。華やかな明るい気分になるはず。

Act Ⅲ　Marche

　でも、その結婚式でも猫は猫であった。そして吾輩とBettyもあいかわらず犬猫は犬猫である。

 食わせて食わせて

とにかく食わせて。

Bettyはおすわりして

いじいじと待っているけど

吾輩にはそんな心の余裕はないんだ。

　パパもママも会社のみんなより一足早く4日から仕事始めをして、がさごそしている。Aoaoもお仲間と神宮でスケート大会だそうで、ご苦労なことです。中学のスケート教室以来でしょ。
　しかし、何があろうとわれわれは、元気に食べて遊んでよく寝て暮らしている。


　今年1年、すばらしいことが行進曲に乗って次々とやってきますように。祈りをこめて、今日ものどかに暮らすのである。

こうやって横取りしようとしたら

Cookieだったら制裁を加えていたはず。

意外に鷹揚なBettyなのである。

わたしがつきあっているこの猫って

昔のロシア人が見ても

フランス人が見ても

妙な存在だった証拠をごらんください。
ああ、うんざり。

Puss in Boots

　この曲を、Aoaoが小学生の頃バレエの発表会で踊ったらしい。女の子2人で白猫になって。先生にもっと猫っぽくって言われても、ラブラドールしか知らないAoaoは困ったらしい。お友達の家はシーズーだったし。きっぱりさっぱりした白猫たちだったとか。吾輩と顔つき合わせている今なら･･･完璧かも。