2011年6月14日火曜日

Dollhouse

 吾輩はやどかり猫Emilioである。ママは、ままごとの延長でドールハウス遊びもできるのだから、われながら実に重宝ないきものである。

 ママの妹が、吾輩がどんなふうにBettyと共生しているのか、とても気になるらしい。では吾輩自ら、ざっと説明しよう。今回は住まいについて。

ラブ箱(小)
このまま動物病院にも行った。

 最初にレスキューされた直後は、ラブ箱。使い捨てカイロをタオルに包んで、ママの毛皮のカフスを寂しくないように入れていた。ひたすら眠るだけの日々だから、これで十分だった。

人ごみをかきわけてもらってきたコストコ箱。
隙間風が入らないよう、バスタオルをかけていた。
生後1ヵ月まではほとんど寝て暮らしていた。
飲んで、抱っこされて、おやすみ。
ずっとカイロ内臓。

 次はコストコでもらった箱。1LDK仕様になった。猫の世界では保育箱と呼ばれているらしい。フリースのスキー帽があると安心で、ミルクの後、帽子に包まれて抱っこされるとすぐ眠くなった。

だが、
吾輩も成長を続けていた。
ジャンプ一発!

 やがて、みんなが悲しみに沈んでいた頃、吾輩は脚力も好奇心も飛躍的に向上してしまった。ねんねの赤ちゃん猫は卒業だ。そこで、人間たちはとりあえずの対策。ははは、これじゃ気休めですな。

いただき物のお菓子の箱を貼り付けただけ。
当時、泣きながら工作していた哀れなママ。

 しかし、いつまでも保育箱状態にしておくわけにもいかず、かといって、あまりに小さな吾輩を野放しにするほどの度胸もなく、結局パパご自慢だったドッグバッグをとりあえず吾輩のお屋敷に。キツネのカフスもいっしょに引越し。

大型犬2匹と人間1人入るサイズ。
今となっては他に使い道がなかったのが真実。
イケアのこども用のファブリックでキッズルーム完成。
密かに猫グッズも増えている。
ささいな買い物で心を癒す人間たち。

 奥にあるのは靴の箱を利用したトイレ。お屋敷の中に入れてもらったのですぐ理解した。この吾輩が失敗なんかするわけないだろう。

ちゃんと閉めないと脱走する!
わたしたちのお出かけ用だったのに
なんでおもちゃだらけの猫屋敷に?

 吾輩はメッシュ越しに家族を観察している。みんなが集まってにぎやかにしていると、吾輩も一緒に!って「みゃー」って小さな声で呼ぶんだ。誰かがお屋敷から出してくれるんだけれど、完全に自由にはしてもらえない。いろいろな隙間にもぐりこめないくらい大きくなったらねって、それいつ?

 とはいうものの、ほとんど寝ているんだけどね。
いい匂いがすると寝ていられない。
何を煮ているの、ママ。
わたしの方が家の中で自由にしているし、
夜もママと寝ているし、
でもなんだかEmilioはずるい気がする。
ちょっとくらいやきもち焼いたっていいじゃない。

2011年6月13日月曜日

In The Experimental Stage 2

 わたしは、風邪をひいた我が家の母娘は苦手なBetty。

 Aoaoが部活でもらってきた風邪に、ママまで仲良く倒れた週末だった。ふつうはいたわりあいそうなものなのに、そろって機嫌が悪くて意地悪をぶつけあっている。
犬が人間の仲裁をするなんて幻想だから。
特に我が家のけんかは
そんな甘いものじゃない。

 雰囲気が荒れだすと、Dennyと違う部屋に逃げて寝ていた頃がなつかしい。Emilioは、勘違いしてはしゃいでいる。

 さて、600g目前の頃、離乳食用の動物性たんぱく質に好き嫌いがあるらしいことが露呈したEmilio。こういうとき使うのは、そう、刺身の盛り合わせである。いきもの道楽もここまでくれば充分ですね、ママ。

サーモン、マグロ、真鯛
それぞれ別々に煮てすりつぶしました。
迷わず真鯛から行きます。
ところで・・・
Emilioのしっぽに注目!
どうしてわたしと同じしっぽなの?
一応わたしラブですけど。
はい、全部食べました。
真面目に1つずつ完食しました。
今度は、真鯛とささみを並べてみました。
はい、真鯛だけいただきます。
実は、混ぜられても気がつきませんが・・・。

 ぶりやかつおもけっこう好きみたい。残念なことに牛肉もラム肉もなぜか嫌い。それでも、密かに少しずつ混ぜてしまうと一緒に食べちゃうんですね。まだまだ赤ん坊だからね。甘いねえ。


 肉にも大切な栄養素があるから、いろいろなものを食べられた方がいいに決まっている。まあ正直言って、わたしの分が残った方がいいに決まってますけど。

どう考えても量が多いよね。
わたしの分を想定しているんでしょ?
水分を取れるよう猫ミルクをサーブ。
舌の使い方がどんどんうまくなる。

 食べている時に、人間の指が近づこうが、スプーンがやってこようがEmilioは気にしない。兄弟に横取りされたことなんか記憶にないのかも。生存競争を知らないのんきな猫なのね。

 ちなみにコーンのかたちに盛っているのは、真ん丸くドーム型にすると食べないから。平たくてもいやみたい。最初だけなんですが、このとんがりがポイントのようです。

 何であれ出されたものを、さわやかにがっつり食べるわたしたち犬の、なんとすがすがしいこと!赤ん坊の癖にいじいじこだわる猫って、やっぱり気に入らない。

 それでもEmilioは700gを越えました。やっとわたしの30分の1強です。今週から野菜を少しずつたしていきます。そうそう、レバーにも挑戦しないとね。

2011年6月11日土曜日

In The Experimental Stage 1

 わたしは、ママの作るごはんを毎日おいしく食べているBetty。同じ釜の飯を食べると親近感がわくらしいけれど、やっぱりEmilioはいやな奴。身の程知らずの生意気猫だと思う。

命拾いしたのは砂糖水のおかげ。
猫ミルクは犬的にもけっこうおいしいわね。
しかし、この姿、ハムスターみたい。

 猫は生後1カ月を過ぎたあたりから、離乳食を始めるらしい。最初は3時間おき、やがて4時間、5時間おきに猫ミルクをシリンジから豪快に飲みに飲んでいたEmilioは、体重も順調に増加していた。毎日10グラムぐらいの増加で、当時450グラム。最初発見された時の185グラムからずいぶん大きくなって、ふつうの猫に見えてきた5月の後半の話。

 3週間前のこの時期、相当弱っていたママの心を支えたのは、猫ミルクだったかもしれない。人間が泣いていたら、Emilioはミルクを飲まない。


煮て、汁ごとミキサーにかける。
うちの子はみんなお世話になるクリステルにバーミックス。

 ともかく次のステージに進めるしかない。最初はささみ。定番だよね。

 しかし、まったく興味なし。ママは小さな小さな口をこじ開けてほんのひとくち入れる。「はいはい」って感じでしかたがなく食べるけれど、自分からは近寄りもしない。数回口に入れると、疲れたのかミルクもろくに飲まない。残りは「はいはい」、わたしがいただきます。

タラもいや。「けっ」って感じ。
 
おまえ、いいところあるじゃん。
いいの、いいの、残してもいいの。
いただきますよ。喜んで!

 ミルクの飲みムラも出てきた。ミルクの温度やシリンジの押し方、シリンジの口の形など、文句があるらしい。気に入らないといっさい飲まないというのは、生存本能の欠如なのか、逆に野生が残っているということなのか。
 元気はいいみたい。あせって飲むと鼻からミルクが出ちゃうほど。飲むときは飲む。
 ともかく残ったら、わたしがいただきますから、なんだっていいの。

 定説どおりにはいかないのが猫らしいんだけれどね。1週間ずっと少しずつ試したけれど、ささみにもタラにも興味がないまま。ミルクと混ぜても、食べごろに温かくしても関係ない。
 わたしは食べ放題でしたね。ほほほ。

 この挑戦を受けて立とうじゃないのと、真鯛のお刺身を買ってきたママ。ママのしつこさには定評がある。そして実験好きもね。本当は理系なんだよ。高2の物理でくじけて文転したけど。

 煮ている段階から、脂の含有量が違うのがわかった。匂いもずいぶんする。ケージの中のEmilioが、にゃあにゃあとささやくような声をあげ始めた。

 大きな一切れなんか、赤ん坊には一度には食べきれるはずがないから、ママは一回分ずつ小分けしラップをして冷凍する。今回はあまりにうるさいので、途中でEmilioに真鯛を味見させた。


「猫まっしぐら」ってほんとうなのだ。
静かに「ぴたぴた」と食べ続ける。
舌を使うのがうまくなっている。

 食べます。自分で食べます。夢中です。わたしの分はありません。お腹にやさしい動物性たんぱく質にこだわったママの負けだ。さあ、次の実験を始めなくちゃ。

 食べだしたのはいいけれど、今後わたしの分はどうなるのかしら?もう処理班は必要ないの?

 実はこの頃、わたしの手作りごはんの分量、1匹分ではどのくらいか、ママはまったく見当がつかなくなっていた。どうしても2匹分材料を使っちゃう。1回になんと5回分も作ってしまうこともあった。
 ママ、多い分にはうれしいけれど、不恰好な犬にはなりたくないわ。

2011年6月9日木曜日

Con Mom

 吾輩は、居候ということになっている、みなしご猫Emilioである。拾うなり名前をさっさとつけたくせに、家族に入れるかどうするか、いつまでも決断できない困った一家である。


わたしはママの赤ちゃんBetty。
わたしを愛するママを信じている。

 ところで、吾輩を育てているママは、なんとこどもの頃からのペテン師だった。しかも猫を使って巧妙に仕掛けたこともある。


 数十年前も、小学生の夏休みには1人1研究というものがあった。巨大なもぞう紙にマジックでまとめるのがお約束。


 夏休みには、曾祖母たちの商う旅館になぜか1人で滞在していたママ。忙しい大人たちは、宿題は?なんて言葉を発する暇がない。ちょっとお膳を運んだだけで、お小遣いもらい放題のふざけた日々だ。


 やがて両親と妹たちが迎えにやってくる。要領はいいからワークブックはすぐ終わる。問題はもぞう紙1枚以上の理科系の研究だ。

 そこにいたのは雄猫のチビ(昔の人がつけたんだから多分そんな名前)。ママが幼稚園の頃、いきなりひげをはさみで切って、ほっぺにひどいひっかき傷をつけられた因縁の猫だ。



 吾輩はだまされない。
ママは猫の敵だ。
リカちゃん人形の髪をざっくりカットして、
ついでに寝ているチビのひげをいきなり襲ったんだ。


 「猫の1日」と題して、猫の行動パターンと天気や食事などの関係を研究した・・・ことにした。いかにもありそうなデータをすべて捏造して、非常にカラフルな表とグラフでまとめた。チビがけんかで怪我までしたことにしたんだって。しかも観察の苦労まで真に迫ったものを書いたらしい。


 かくして、みんなと一緒に黒板の前で発表をして、そろって廊下に展示され、そして選抜されて県の科学展に出展となって、みごと入賞。何食わぬ顔で賞状をいただいたことは言うまでもない。これが小学校5年生。
 次の年は、お宮でつかまえたあり地獄の研究だった。本当に実験したかどうか、想像つくよね。


 今の朝ドラでおなじみの、のどかな信州にも、こんな悪い少女がいたんだ。この手で卒論も仕事も?おいおい。


 はっきり言っておこう。このママにだまされちゃいけない。これから吾輩の猫育ての記録も残す気らしいが、どこまで本当かわからないからね。


安心しているからおへそを出して寝ているの。
いいの、世界中の人が疑っても
わたしはママを信じているから。
 
 確かなことは、ピンチの時は猫に助けてもらうってことだね。今回もけっこう役に立っているでしょ。

 まあ、今のママは現実逃避で吾輩の世話を必死でしているけれど、吾輩もまた立派な現実であって、ぼんやりとして吾輩に差し出す手の甲は傷だらけだ。大人にはありえないよ、その傷。

2011年6月8日水曜日

No Na Kau A Kau

 わたしは、3才なのにあいかわらず赤ちゃん顔のBetty。


 今年の誕生日は、このところ泣き虫になったママにもうんざりしたし、どうも挙動不審で、怪しい瞳孔でガン見するEmilioにいらいらしっぱなし。


 甘えん坊のふりをすると
人間がさらに甘やかすってわかったの。
 甘やかされすぎて太ったからって
ケーキが小さいんじゃないかしら。
 
人間相手のひっぱりっこは
正直つまらないんだけど。

 さて、「いったいEmilioはどうするの?」って、猫ミルクのために睡眠不足のママはパパに質問するけれど、だれも何も決めることができない。相変わらずママは真面目にEmilioを育てている。その合間にわたしとくっついて寝ている感じ。


我が家に入り込んで1ヵ月。
猫のかあさんや兄弟と暮らした時間より
人間や犬と暮らした時間の方が長くなったわね。

 もちろん、わたしたち家族の物語はまだまだ続く。このブログのアドレスに使われている”no na kau a kau”は「今も、これからも、永遠に」というハワイの言葉。そう、ぷつんと何かが終わってしまったわけではなくて、すべてはつながって、流れていくんじゃないのかな。

 だから、わたしたちはまたいつかCookieにもDennyにも会える。どんな風にかはわからないけれど。「いっそ孫として生まれてきたらいいのに」ってママは勝手なことを言って、まだ大学生のAoaoに怒られていた。Aoao、できればわたしも会えるように早めに産んでね。