2013年1月17日木曜日

Blizzard Oh! Blizzard

 吾輩は雪も氷もまったく無縁のEmilioである。一生知らないまま過ごせるよう、ママは全力を尽くすだろう。

 先週末の三連休は、我が家にとって爆弾低気圧が連発した感じだった。さすがのママも矢尽き刀折れちゃったね。

 土曜日早朝、パパとママはAoaoを東京駅に送っていった。京都の三十三間堂の通し矢に参加するためだ。今年新成人となる弓道家が全国から集まって、晴れ着で弓を射る恒例の行事なのだ。大学の仲間たちと、それはもうハイテンションで旅立っていった。

パパがのたうちまわっている頃、
京都の町を半日遊びまわるAoaoたち。

 「京都に見に行きたいんだけど、犬や猫がいるし、仕事も溜まっているし」って、ママがぶつぶつ言いながら夫婦2人でオフィスで働いていると・・・、パパがおかしい。お年賀やおみやげで盛りだくさんのお菓子を食べない。あれ?

 それからAoaoの着物を近くのホテルの美容室に届けに行って、パスタやピザを山盛り食べ終わったあたりから、パパは冷や汗が。食べてから気分悪いって気がつくのってどうなんでしょう。結局、恐ろしいほど症状が出てきて、病院でウイルス性胃腸炎と診断されました。哀れ、パパは隔離され、Bettyに添い寝されて、ダウン。

 やたら生花を盛ってくれた京都のヘアメイクさん
通し矢の時の着物は京都でレンタル。

 ママは楽しみにしていた翌日のお出かけをキャンセルし、パパの様子を見守りつつ、持ち帰った仕事をしながらも、天気予報を見てばかり。14日は雪。どうしても予報は変わらない。その日はAoaoの卒業した女子校で、成人式同窓会が開かれる。地元の成人式はパスして、赤坂に出かけることになっていたのだ。でも、雪。

 なんでもいいけど、吾輩はママが家で仕事をしてくれるのがうれしいなあ。

ちゃんとレンタル振袖袴のシステムが出来ていて
娘が決めて、親はお金を払うだけ。
やっぱり赤い色が好きなんだね。

 13日、こんなニュースが流れる頃、パパは意識不明。ママは雨コート、草履カバーを準備して気合を入れていた。あまりに気合が入ってウイルスに感染することもなかったのは、えらい!やがて、夜遅くAoaoは帰宅。事の重大さをまるでわかっていないのは、吾輩並み。

 さて、運命の14日当日。パパは少し回復して、犬猫と自宅待機することになった。小雨の中、都心の美容室に入って、着付けが終わって地下一階からロビーに上がって来たら・・・、もうびっくり。せいぜいみぞれだろうと思っていたのに、外は銀世界である。しかも傘が吹き飛ぶほどの風。そこはホテルのありがたさで、スタッフが道路に出て、なかなか来ないタクシーを車寄せまで呼んできてくれる。

こっちがAoaoの着物。
こんなお天気でかわいそうにって
みんなに心配される。
あまりの雪にホテルのロビーで
がっくり座り込んでいるAoao。

 さあ、乗ったはいいが、あちこちで立ち往生している人、車。いつもの何倍もの時間をかけて赤坂の学校へ。校門前に停めてもらって、飛び込むように会場に。次々と娘と母親が飛び込んでくる。やっぱりついてきちゃうよね。

 本当だったら同級生のお母様方と、娘たちに負けないぐらい再会にはしゃいだろうに、みな、娘を送り届けるのに精魂尽き果ててしまった感じだったとか。とりあえず、ママは近くのお店で知り合いとお茶を。雪はどんどんひどくなる。品川からタクシーに乗ったまま、身動きとれず、ついにたどり着けない人もいた。

 
赤坂の微妙な坂が草履の行く手を阻む。
登るのも下るのもつらい。
地下鉄から歩いていく人も結構いた。
雨コートはまくれ上がり、草履カバーはほんの気休め。
ショートブーツを履いてきて、会場で履き替えていた人も。


 この日、赤坂のホテルでは私立校の成人式同窓会がいくつもあった。ママは大きなホテルなら行きと同じようにタクシーを捕まえてもらえるだろうと、必死に雪を踏みしめて向かったものの、そこには全く同じような振袖娘と介添え母が山のようにいた。おそらく終了時間は同じぐらいだから、ここにいては悲惨なことになる。駅の反対側の別のホテルまで歩く、歩く。寒いはずが、Aoaoの着替え一式も持っているから暑いのなんのって。

 当初の予定では、支度と送り届けはママ、お迎えはパパで、ママは吾輩たちとのんびりしていた頃だなあ。まさか会が終わるまで待つなんて。

 雪の中集まった振袖の娘たち。
この子たちの親は、ほぼみなバブル世代。
見栄と意地と愛情と、
元気な日本を知っているからこそ
晴れの舞台にははりきっちゃうのかも。
もちろん雪の日だって、がんばるのだ。

 同窓会が終わる頃、高速が閉鎖されたという情報がパパから入った。ママは帰宅を断念。タクシーで校門まで乗り付けて、待機していたAoaoをピックアップして秋葉原へ。秋葉原駅の上にあるホテルはパパは手配した。 

 なぜ秋葉原かというと、もちろん翌朝帰るのが楽なのもあるけれど、ヨドバシカメラで家に忘れれてきた携帯の充電器を買えるから。この1日携帯がなかったら、本当に遭難した感じだったかも。こんな非常時はまず充電しなくちゃね。別世界のような東京を彷徨った後、ヨドバシカメラをぶらぶらするとほっとするみたい。あ、もちろんAoaoは着替えてから行ったんだよ。

 気が遠くなりそうな母の気も知らず
2年ぶりの再会に大喜びの娘たち。
あっちもこっちも花盛りです。
 
 ママの根性で着物は無事。足袋もすこしも汚れていない。本当に長い長い1日だった。心底大変だったけれど、不思議なことに後悔とかはないみたい。日本の民族衣装の魔力なのかな。

 吾輩はBettyと一緒にパパと寝たんだ。雪でどこにも行けなくて、こんなにパパとべったりいたのは初めてだな。ただ、パパは雪道を上手に歩けないから、Bettyの散歩は危ないんだよね。

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