わたしは、意外につつましやかなBetty。ボール遊びだけは性格が変わるけれど、ごはんやおやつの時はしおらしく「待て」ができる。
Emilioって、欲望の塊。ごはん予定時間30分前から、ママのそばに「ずん」って座り込んで、寝たふりをしながら様子をうかがっている。わたしはママの足元でひたすら待つ。
やがて、ママが「さて」と言ったとたん、わたしと一緒にキッチンへダッシュ。
「早く!早く!」
前足の動きが速すぎて
猫招きの瞬間が撮れないパパ。
お皿が置かれたとたん
無我の境地になって食べ続ける。
あまりの迫力にわたしは身動きできない。
あいつのごはんの用意をするときは、だれかに押さえていてもらわないと、無理。フードの袋に頭を突っ込むし、お魚をほぐしている指にからみつく。冷蔵庫にも電子レンジにも入ろうとする。恐るべきスピードでどこでも身軽に乗るから、食べ物を置いておいて安全な場所なんて、猫にはない。まったくない。
網戸に止まっていたセミ。
窓の向こうなのでこいつは安全。
「放してもいいよ!」ってママが言うと、猫は押さえていた人の胸を後ろ足で激しくキックして、キッチンへ駆け込む。
ドッグバッグに向かって歩くママの足もと、数10cm前をくるくる回転しながら前進し、ママの手元を見ながら、ニャゴニャゴって訴え続ける。そして「早く寄こせ!寄こせ!」と招き猫のポーズ。
どうしたの?
いいことでもあった?
マッサージチェアの上から動かないEmilio。
わたしは3粒ぐらいもらえる。すごく香りのいいフードなのでとてもうれしい。お魚の時ももちろんひと口、というかひとつまみ。まあ、あいつの1回の量自体がわたしのひと口なんだけど。
あれは、セミっていうんだよ。
一週間、この世界で命を懸けて恋をする。
欲しいの?
小さな声で「カカカッ」と鳴いているEmilio。
狩りを期待して興奮している声らしい。
Emilio、落ち着いて、落ち着いて。
ママの心の中の悪魔が、あのセミをリビングに放したらどうなるかしらって、ささやいている。ママの好奇心がそそる欲望は、年甲斐もなく子どもじみている。残酷でもある。猫並みである。
大丈夫、ママも大人になったのでおかしなことはしません。
ちなみにパパは、虫はすべて嫌いなので、いや、怖いので、関わり合いにならないように息を殺しています。
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