2011年6月24日金曜日

Don't make a fuss!

  わたしは、元気第一のちびっこBetty。ママやAoaoの悲しい顔はもう見たくないからね。ちょっとしたことで、みんなの心は簡単にくしゃくしゃになってしまうから。

前の日、出張前のパパと
ぎりぎりまでいっぱい遊んだからかな。
ちょっとしたすきに
お屋敷を脱走して逃げ回ったからかな。

 火曜日の朝5時、わたしの散歩前にEmilioのお屋敷をのぞいたママは異変を感じた。いつもは、家族の気配を感じると様子をうかがって、狙いをつけてはバッタのように縦横無尽にはね始める。

 あいつがぐったりしている。妙に熱い。体に力がまるで入っていなくて、鼻が詰まっているのか変な呼吸音がしている。目がどんよりして今にも意識が飛んでしまいそう。

 パパは出張に出かけたばかりで、まだ飛行機に乗ったまま。Aoaoをたたき起こして、大騒ぎが始まった。

 息が出来なくなる!なんて思い込んで、完全に詰まっている(かのような)片方の鼻の穴の入り口(直径0.5mm)から、爪楊枝で鼻くそを出してみた。火事場のなんとかで鼻を吸ってあげたら、徐々に鼻くそがでてきた。よく考えたら口呼吸できるんだものね。興奮しすぎでした。

わたしは待つしかないのよ。
こういう騒ぎには慣れてしまった感じ。
邪魔にならないようにしているの。

 当然、ミルクも離乳食も受け付けないので、水分補給が第一だ!なんて砂糖水をひとくちシリンジで無理に注入。無理にね。

 クールなはずのAoaoは軽いパニックで、「また何かあったらいやだいやだ!」って叫び続けている。ともかく、おなかの上にEmilioを乗せて、やさしくなぜながら様子をみてもらった。そうして、ママはばたばたと朝の用事を片付けていく。無駄な動きも多いけど。わたしの朝ごはんを忘れないでくれてよかった。

 そのうち、だんだんEmilioの目がしゃんとしてきたし、ゴロゴロとのどを鳴らし続けてもいる。目やにも鼻水たいしたことがない。吐いても下痢もしていないし、ごはんを一食パスしただけ。ただ、だるくてだるくてしょうがない感じは収まらない。
 このEmilioの症状がママもAoaoも納得できない。犬ならすこし様子を見るよね。でも、あんまり小さいから怖いんでしょ。

 朝一番に病院に行くべくママが身支度をしていた時、ちょうどメールをくれたMrs.ハリィのご好意で、病院まで車で連れて行っていただいた。

 ママ、よその人まで巻き込んでいいの?

 ところが、野生の勘なのか、いきものがかりの勘なのか、やはり熱が40度近くあった。体に潜伏している、いわゆる猫風邪が急に悪化したということらしい。予防接種を済ませたおとなの猫はたいしたことがなく済むけれど、子猫がこじらせると危険だ。この初期には「劇的に」効く場合があるというネコインターフェロンの目薬をつけ、注射もしていただいた。免疫力をあげる薬らしい。

 こんなに小さい子猫だとどう転ぶかわからないので、次の日もう一度というお話で、びくびくしながら帰って数時間。

 それはそれは、「劇的」でした。


こんなに眼が大きかったっけ?と思うほど
気合のはいったまなざしで暴れている。

 ひと眠りした後、眼がピカーンと光りだして、ものすごく元気になった。鼻水も涙目もピタッと消えている。体力を取り戻すため静かに寝かせておいてといわれたけれど、お屋敷の中で楽しそうにひとり遊びを続けている。
 眠気覚ましのドリンク剤を飲んだときのように、いつか電池切れになって倒れるのでは?と、ママはずっと様子をチェックし続けている。まさか、そんな薬じゃないって。

 さすがに当日はミルクはシリンジからしか飲まない。たくさん飲みたいらしいのに。赤ちゃん返りしたのか、鼻が効かないのかお皿からはなにも食べない。まあ、翌朝は離乳食も自力で完食。りっぱな大きい方も排出したからひと安心。

 翌日も親切なMrs,ハリィが病院までおつきあいくださって、異国の地のパパもますます足を向けて寝られなくなった。本当にお手数おかけしました。

  
かわいいオレンジの飲み薬1回0.5mlずつと
おねだりしていただいた大きめシリンジ。

 熱もネコの平熱37度台に戻った。まったく普通の元気な子猫である。もう一度ネコインターフェロンを打って、翌日からは抗生物質入りの液体お薬を。いやいや、大騒ぎでした。

 その日はものすごく蒸し暑い一日で、前日とは打って変わってEmilioはだらだら寝て過ごしていた。それならそれで、また心配なんですね、ママ。


 よそさままでまきこんで、とことん心配性の母娘だったけれど、こじらせずになんとかできて本当によかった。注射が効く早いうちに連れて行けたのだから。Mrs.ハリィがご一緒してくださって、どんなに心強かったか。猫の世界はまったく先が読めないママですから。

 ママは、ずっと長引いていたのどの風邪がこの騒ぎで悪化して、あまり声が出ない。そりゃ、一晩中数時間おきにネコをのぞいていたら、睡眠時間が足りなくて免疫が下がるよね。

 それでも、元気になりすぎて狂暴になったEmilioを叱るかすれ声には力がある。よかったね、安心したよね。

 ところで、国際電話で猫のことしか聞かないパパはひどい!ママの風邪のことも、Aoaoやわたしのことも、完全に忘れている。

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