2011年6月11日土曜日

In The Experimental Stage 1

 わたしは、ママの作るごはんを毎日おいしく食べているBetty。同じ釜の飯を食べると親近感がわくらしいけれど、やっぱりEmilioはいやな奴。身の程知らずの生意気猫だと思う。

命拾いしたのは砂糖水のおかげ。
猫ミルクは犬的にもけっこうおいしいわね。
しかし、この姿、ハムスターみたい。

 猫は生後1カ月を過ぎたあたりから、離乳食を始めるらしい。最初は3時間おき、やがて4時間、5時間おきに猫ミルクをシリンジから豪快に飲みに飲んでいたEmilioは、体重も順調に増加していた。毎日10グラムぐらいの増加で、当時450グラム。最初発見された時の185グラムからずいぶん大きくなって、ふつうの猫に見えてきた5月の後半の話。

 3週間前のこの時期、相当弱っていたママの心を支えたのは、猫ミルクだったかもしれない。人間が泣いていたら、Emilioはミルクを飲まない。


煮て、汁ごとミキサーにかける。
うちの子はみんなお世話になるクリステルにバーミックス。

 ともかく次のステージに進めるしかない。最初はささみ。定番だよね。

 しかし、まったく興味なし。ママは小さな小さな口をこじ開けてほんのひとくち入れる。「はいはい」って感じでしかたがなく食べるけれど、自分からは近寄りもしない。数回口に入れると、疲れたのかミルクもろくに飲まない。残りは「はいはい」、わたしがいただきます。

タラもいや。「けっ」って感じ。
 
おまえ、いいところあるじゃん。
いいの、いいの、残してもいいの。
いただきますよ。喜んで!

 ミルクの飲みムラも出てきた。ミルクの温度やシリンジの押し方、シリンジの口の形など、文句があるらしい。気に入らないといっさい飲まないというのは、生存本能の欠如なのか、逆に野生が残っているということなのか。
 元気はいいみたい。あせって飲むと鼻からミルクが出ちゃうほど。飲むときは飲む。
 ともかく残ったら、わたしがいただきますから、なんだっていいの。

 定説どおりにはいかないのが猫らしいんだけれどね。1週間ずっと少しずつ試したけれど、ささみにもタラにも興味がないまま。ミルクと混ぜても、食べごろに温かくしても関係ない。
 わたしは食べ放題でしたね。ほほほ。

 この挑戦を受けて立とうじゃないのと、真鯛のお刺身を買ってきたママ。ママのしつこさには定評がある。そして実験好きもね。本当は理系なんだよ。高2の物理でくじけて文転したけど。

 煮ている段階から、脂の含有量が違うのがわかった。匂いもずいぶんする。ケージの中のEmilioが、にゃあにゃあとささやくような声をあげ始めた。

 大きな一切れなんか、赤ん坊には一度には食べきれるはずがないから、ママは一回分ずつ小分けしラップをして冷凍する。今回はあまりにうるさいので、途中でEmilioに真鯛を味見させた。


「猫まっしぐら」ってほんとうなのだ。
静かに「ぴたぴた」と食べ続ける。
舌を使うのがうまくなっている。

 食べます。自分で食べます。夢中です。わたしの分はありません。お腹にやさしい動物性たんぱく質にこだわったママの負けだ。さあ、次の実験を始めなくちゃ。

 食べだしたのはいいけれど、今後わたしの分はどうなるのかしら?もう処理班は必要ないの?

 実はこの頃、わたしの手作りごはんの分量、1匹分ではどのくらいか、ママはまったく見当がつかなくなっていた。どうしても2匹分材料を使っちゃう。1回になんと5回分も作ってしまうこともあった。
 ママ、多い分にはうれしいけれど、不恰好な犬にはなりたくないわ。

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